<栽培・ワイン造りの主なポイント>
1.
植樹密度を高めて1本当りの収穫量を抑える(平均25〜30hl)。
2.
除草剤、化学肥料など一切使用しない。
3.
施肥はバイオ理論に基づき、最小限にとどめる。
4.
選果作業を、収穫時及び発酵槽に入れる前に2度行なう。特に収穫時には灰色カビのついた果実がないか厳格にチェックし、他の房と接触する前に現場で除去する。蔵に着くとベルトコンベアーを使って一粒単位の選別を行い、損傷・腐敗果、未熟果や葉などの不要物を完璧に取り除く。
5.
選果されたブドウは除梗せず、房ごと発酵槽に投入される。目的は果汁を空気に触れさせて果実香を減少させない為。これは亜硫酸の添加量が極めて少ないワイン造りをする為の工夫なのだ。また、古木の梗(茎)に含まれるタンニン成分は、ワインに骨格と複雑さを与えてくれる。また梗を含んだ果帽はふっくらと柔らかく、果汁の浸透が促進されて成分抽出が進むため、この伝統的な発酵方法を守り抜いている。
6.
人口酵母は一切使用せず、土着の野生酵母による発酵(土地の相互共同産物:cotraductrices
des terroirs)を行なう。
7.
ブドウを木製の発酵槽に投入した後、炭酸ガスを発酵槽の空いたスペースに充填して空気との接触を防ぐ。
8.
発酵・熟成中は亜硫酸を使わない。亜硫酸無添加で発酵させることはテロワールに由来する独特の香りを瓶詰めされたワインに残すことができる大事な技術。その為には、何よりも健全な果実でなくてはならない。
9.
発酵温度が高温にならないよう自動調節してワインを熱変化から保護し、果実香を可能な限り保つ。同時に醸し期間を長くでき、色素やタンニンをより多く抽出させることができる。
10.
フランス中央山塊で育ったトロンセー産の樽で15〜20ヵ月熟成。新樽率は通常50%前後だが、キュヴェや作柄によって変わる。
11.
樽の材木は極めて厳選したものを使う。ロマネコンティ用に50年以上前に現地へ赴き、伐採前の木を買いつけてあったものを現在共同で使っている。製材を20〜30年に渡って極めて長期間乾燥させ、生木の臭いをなくす。(通常、製材の乾燥は2年程度。)樽製造者はロマネコンティと同じサン・ロマンの
“Francois
Freres”。瓶詰め前の清澄、ろ過を一切しない。また重力を使った瓶詰めができる蔵設計。澱引き作業は、不活性ガス(アリガルガス)の圧力でワインを樽から押し出す方式。通常のポンプのようにワインを吸入してワインにストレスがかからないように注意を払う。
12.
瓶詰め時の亜硫酸添加は極少量に抑え、”アペラシオン”や“テロワール”の風味を極力ワインに表現させる。(尚、瓶詰め時に炭酸ガスは使用しない)
<栽 培>
ブドウ栽培における様々な作業は、当然、状況を見分ける厳しい観察力と注意力を持ってなされます。ここでは「ビオロジック」を取り入れています。土壌中の微有機体(Micro-Organismes)と大有機体(Macro-Organisemes)
という、微生物によって土壌を活性化させ非常にたくさんの生命体が宿る“土作り”によって土を豊かにし、ブドウ木の生命力を強くする農業を行なっています。この方法によりブドウ木は、バランスのとれた栄養を吸収でき、上質で「典型性」を備えた個性豊かなブドウが実ります。肥料には合成化学物質は一切使用せず、ブドウ木を剪定し砕いた枝と、自社ワインの発酵後のマール(搾り粕)を混ぜて作った有機肥料を使います。ブドウ生育中は、雑草の過剰な成長を防ぐ為に、手作業で時々草取りをします。短く剪定した木は収穫量が少ない代わりに、凝縮感があり品質の優れたブドウが生まれます。収穫は、70人のスタッフを雇い、完熟した最高のタイミングを待って6〜8日間で一揆に収穫、平年であれば9月21〜23頃に収穫開始します。所有する区画の内、一番南に位置する“ル・クロ・デ・コルヴェ”から始まり、北の“シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ”が最後の収穫となります。
<醸 造>
コンセプト:ワインの誕生
「ワインは生きている。だから我々は自然そのままに造る。我々の仕事とは、発酵がスムーズに進み調和の取れたワインになるように、必要に応じて手助けする事である。ワインとは、ブドウの持つ風味そのものが自然な「発酵」という作用によって作り出されたものだ。私達は「ワインメーカー」ではなく、自然の力によるワインの誕生をただサポートしているにすぎない。」
<その他>
発酵中は1日2回見回りその推移を管理します。通常、発酵期間は15〜18日程度。醸し期間は約3週間。発酵が終わると、ブルゴーニュ樽に移して乳酸発酵させる。樽熟成は18〜22ヵ月。ほぼ毎日点検して、ワインの目減りなどない様に入念な作業が続けられる。
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