- トスカーナの中心に位置するキャンティ地区。そのすぐ南の歴史ある街シエナの郊外に位置するのがサンタ10。
シエナに5軒ほどしか残っていないカンティーナのうちの1つで1.5ha
の葡萄畑と480本のオリーヴの樹を含む8ha
の土地を所有している。
ブドウの植栽品種割合は
Sangiovese 50%, Cabernet 20%, Petit verdot 20%, canaiolo,
ciliegiolo, colorino, trebbiano 10%で
生産量は500ケースのみという極々小さな造り手。
オーナーであるジャンニ・マソーネは会計士として生計を立てながらワイン造りに没頭していたのだが、キャンティ・コッリ・セネージの素晴らしい造り手パーチナのステファノ、ジョヴァンナ夫妻の友人であることもあって
高品質ワイン、そして自然なワイン造りへと傾倒していくこととなった。
『シエナの黄色い土、トゥーフォの畑を理解することから始め、祖父母の時代のワイン醸造方法を研究し、実践することで、
やっと自然なやり方で自分自身の手でワインを造り上げる事ができた』
と、語る。
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- ≪畑は子供のもの≫
『畑では毎日、飼い犬と子供達が遊んでいるが、薬品を使用していないので何の心配もない。最高の遊び場だ』
畑での自然に対するリスペクト同様、中世の小さい塔を修理した小さなセラーの中でも
シエナの自然を活かすべく、出きる限り人為的介入を排除したワイン造りを目指している。
培養酵母は一切使用せず葡萄畑に住む自然酵母のみでの発酵を実践。フィルターもかけない。ボトリング時の電動ポンプまでの不使用、栽培、収穫、醸造、ボトリングまで全工程を人間の手によってのみ行っている。
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- <<大切な家族を象徴するエチケット>>
『母親から葡萄畑と中世の小さい塔を相続し、葡萄畑を整備。塔の地下の部屋を修復していたら、そこはその昔ワイン貯蔵庫であったことが判明した。その時このワイン造りという私の夢の選択は正しかったと確信した』
現在、ジャンニ・マッソーネ本人は会計士とワイン造りを両立し、奥様は大学の数学教師を辞め、自宅で小さなアグリツーリズモを経営することでジャンニのワイン造りの夢を支えています。そんな家族を象徴しているのが特徴的なエチケット。
『家族の生活の象徴である“家”と人生とワイン造りの象徴である“樹”。4つの葉は家族4人を表しています。生活とワイン造りを通して家族が成長していくことをイメージしています』
彼のワインは既に驚くべき品質に到達していますが、まだまだ樹齢の低さなど未熟な要素があります。しかし、彼のワインには中心にしっかりと上質な酸の美味しさが存在しています。樹齢が高まるのと共に、より複雑なワインへと進化するはずです。進化するジャンニの仕事と高まっていく樹齢によるワインの成熟が楽しみでなりません。
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