ジョルジュ デコンブはボジョレー地区に8.5haの畑を所有する。全ての区画を「リュットレゾネ=化学物質の使用はどうしても必要な場合に必要最低限を使用し、できうる限り自然の環境を活かす手法」で運営している。
彼は語る、「自分の畑はかなり急な斜面に位置しており、完全なビオロジックには適していない。ビオのワイン全てが良いとは思わないが、手法としては理想的であると考えている。だから可能な限りは自然にやろう、と思うんだ。」
彼のワイン造りにおける最大の特徴は、発酵の際にSO2を全く使わないこと。ブドウの茎を全て残したまま発酵槽に入れ、ブドウとドライアイスを交互に敷き詰めたサンドイッチの状態にする。温度を2度まで下げてその後の自然な発酵を待つことで、よりいっそうアロマチックなワインとなる。また、このような造りでは「完璧な選果が重要な鍵を握る」と考えている。彼はSO2の過剰な添加がテロワールの忠実な表現の阻害要因になっている、と考えており、そのためビン詰めにあたっても極僅かしか使用していない。その量、なんと0.5mg/500L ボルドーグランヴァンに平均して使われる量は90mg以上といわれているから、これは限り無く無添加に近いと思われる。
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