2008年、フレデリック・マニャンはぶどう耕作専門会社を設立し、自ら選び抜いた畑において自社スタッフで購入ぶどうを育てるという新しい挑戦を始めました。そしてこの2008年ヴィンテージからは、自身のスタイルに合った上質のぶどうを得ることを可能にしました。ワイン造りにおいても「自然の流れと共にあるべき」という理念に基づき、破砕、圧搾、発酵を重力に逆らわないグラヴィティシステムの導入や十分な時間をかけた低温マセラシオンなど、今では特別なことではなくなりましたが、最高品質のぶどうを使うことで、その効果を段違いに発揮することが出来ます。そして月の満ち欠けに起因する要素を醸造に取り入れた「太陰有機法」に則り、地球環境のエネルギーを最大限に活用しています。これは主に、ボトリングや樽への移し替えなど、ワインへのストレスを軽減するものです
サン・ロマンにあるクーパーのフランソワ・ルフレール社の特注バリックは世界中から注文が殺到する最高級のものです。
実はこの樽は3年間かけて乾燥させたものです。じっくりと乾燥熟成させた樽からは、そうではない樽に比べてはるかに細かく柔らかなタンニンが得られるようです。しかしそれを供給しているのは極わずかの選ばれた生産者のみ。
中でもルフレール社製のバリックを100%使用しているのはDRC、コント・ラフォン、ルロワ、そしてフレデリック・マニャンだけです。生産開始から2年間、色々なバリックを試しDRCと同じ仕様のバリックが最も自分のスタイルに合うと判断し、ルフレール社の社長に直談判。「自分が使うことでますます価値が上がる」と説き伏せたのでした。
使用する樫材は「木目の細かさ」に定評のあるフランス中部のアリエ産の樹齢120〜140年のものを使用し、通常より長い期間の乾燥熟成をさせ80%あった湿度を17〜18%まで下げます。滑らかなタンニンとピュアな果実味をもつワインの仕上げはこの最上級バリックによるものです。
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