■テイスティングコメント
非常に多くのアロマの静脈が流れており、愛と同様にプーリア州を囲う海がこのワインの
本質をつくり上げている。浸透不可能な深い色調の波々、バルサミコクリームの香り、豊満で甘美、濃密な流れがとろりと口蓋を愛撫する。完全な知覚の調和。タンニン、酸、果肉の力、そのうちどれ一つとして突出していない。それらによって作り出される見事な球体への足し算のようであり、光と影の見事なコントラストを描いたかのようだ。最大の敬意が払われた醸造は樹木のエネルギーを感じさせるブラックベリーの樹液のよう、
酸化はなく、新たに流れ出たかの如く黒い輝きを放つ。とれたてのフレッシュな香辛料、ミントを匂わせる均整の取れた味わいから、樽に由来する輝かしい結晶のような芳醇な甘みを含んだ滑らかで柔らかな味わいへと続いていく。生まれ持った優れた素質と個性。それを見事にワインに変化させた醸造技術の賜物である。
今年の最も素晴らしい赤ワインの頂点だ。
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