ピエールは本当に頑固者で、彼にまつわる話は沢山ある。
その一つが1977年から始めた開墾が終了してブドウの木を植え終わるのに実に7年を費やしたオート・コート・ド・ボーヌの畑の話で、全くの原生林をチェーンソーで1本ずつ木を切り出し、畑から出てくる大きな石を運び出しては山道に敷き詰めて道を作りながらブドウ畑を開墾したらしい。当然ながら、周囲から「ヤツは気が狂った!」と噂された。しかし今ではこの畑から素晴らしいオート・コート・ド・ボーヌの赤が生まれ、皆から愛されている。
息子=現当主ジャン・バティストも同じで、「色が濃く、アタックの強いワインを何故造ろうとしないんだ?と皆が聞くけれど繊細でエレガンスのあるスタイルが僕の目指しているものなんだ。黒くパワフルなピノ・ノワールなんて考えられない。」
27才である彼が造るワインには、「そこにあるべきもの」の全てが備わっているとは、言えないかも知れない。しかし、受け継いでから3年目でしかないことも事実であるし、何と言ってもこのワインには「不要なもの」はほとんどない、と我々は感じている。しかしジャン・バティストは必ず成し遂げることができる人物であると信じる。彼の体には父ピエールの血が流れているのだから。(インポーター・リリースシトより)
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