醸造に用いられる葡萄は非の打ち所がないものでなければならない。葡萄はボデガに運ばれた時点で、外観、アルコール度数、酸度、ペーハー、揮発酸度などに就いて細かく分析検査がなされ、この分析検査こそがワインのクオリティを左右する鍵を握っている。各々の分析結果は直ちにコンピューターで処理される。葡萄のクオリティを最優先していることだけあって、当然、ボデガの条件に見合わない葡萄は破棄される。
なお、カジュアルラインのワイン(ラン・グラン・レセルバ、ラン・レセルバ、ラン・クリアンサ)は虎の子のクリュ「ヴィーニャ・ランシアーノ」では足りないため、契約農家より購入する葡萄をも使用し醸造しているが、その際よりクオリティの高い葡萄を獲得する為に市場価格よりはるかに高い金額を支払っている。この契約農家に対する寛容なインセンティブにより、ボデガス・ランは契約農家からも葡萄に対するクオリティのギャランティーを得ることに成功しているのだ。
葡萄は漏斗状の投入口から直接発酵タンクに投入している。これは、パイプを通じた運搬の手段を省き、可能な限り葡萄は収穫した状態で、つまり、葡萄のピュアさを保つことに繋がる。また、ボデガが所有する発酵タンクは最新のコンピューター・システムが搭載されており、伝統的なワイン醸造に加え、より進んだテクノロジーが導入されている。伝統的なワイン醸造と技術の粋を集約して造られた、非常に洗練された現代的なスタイルが、ボデガス・ランのワインの醍醐味といえる。
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