バンドールの代名詞と言える程の長い歴史と世界的な名声を持つドメーヌ・タンピエ。
しかし,近年の躍進は鬼神のように凄まじい。
ワイン・スペクテーター誌で,歴代のバンドール得点上位15傑(96〜93点)の内になんと10本(しかもベスト5に4本)が選出されれば,最新のロバート・パーカーの「ワイン・バイヤーズ・ガイド」第7版では,南仏の五ッ星ワイン4つの内の3つをタンピエのカバッソウ,トゥルティーヌ,ミグアで独占し,ギガルのテュルク,ランドンヌ,ムーリーヌに並ぶ快挙を達成した。
2008年にはラッセル・クロウ主演で大ヒットした映画『プロヴァンスの贈りもの』の中にも登場し,少年時代の主人公が叔父からワイン造りの素晴らしさを教えられる場面で<真実を伝える美酒>として印象的に使われた。
そのドメーヌ・タンピエに遂に最高の栄誉の瞬間が訪れた。
2010年8月に発売になった「レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2011年版」で三ッ星に昇格したのである。フランスのこの名門ガイドは創刊から16年を迎えるが,今までプロヴァンスのドメーヌに三ッ星を与えたことは一度もなかった。
その壁が遂にドメーヌ・タンピエによって破られたのである。まさに歴史的快挙である。